病には主な原因が5つあります
①低血糖
②副腎疲労
③腸漏れ
④上咽頭炎
⑤ミトコンドリア機能低下
トップバッターは「低血糖」です
なぜ低血糖を最初にもってきたかというと、
体調不良の方のほとんどが低血糖になっているからであり、
低血糖を改善するだけでも、
体調がよくなってくるのをリアルに体感できるからです。
(私の臨床経験では体調不良の方の90%以上が低血糖を持っていると考えています)
体調を良くするためには、
まずは低血糖のケアからとりかかるのが吉です
なぜなら、改善を速やかに感じられるので
「なんだか良くなってきたぞ」との実感が得られやすいからです
低血糖改善ですべての症状が良くなるわけではありませんが
低血糖を放置したままでは、他の治療が効いてきません
例えば、めまいでお悩みの方はほぼ全員が低血糖症です
低血糖ケアをしないまま、めまいの治療をしてもなかなか良くなりません
低血糖ケアをしながら、めまいの治療をしていくと着実に改善していきます
低血糖ってなに?どんな症状になるの?
低血糖とは血液の中のグルコースが異常に低くなることです
通常の血糖値は、空腹時でも90、食後でも140ぐらいの間で安定しています
しかし空腹時で70を下回ったり、
食後でも200近くまで爆上がりしたあとで急激に下がったりすると(血糖値スパイク)
低血糖症特有の症状がでてきます
では、どんな症状になるのでしょう?
眠気・だるさ・動悸・手足のふるえ・不安感が起こり、
重症の場合は意識がなくなります
低血糖ってどんな時になっちゃうの?
起きやすい時間帯をランキングにしますと
1位:夕方 2位:食後 3位:夜中の睡眠中→起床時 です
一番起きやすい時間は夕方です
なぜなら、血糖値を維持するコルチゾールは
夕方になるともっとも分泌が低下するからです
昼食を食べた後、不調の人は2時間後には血糖値が落ち始めます
健康な人でも、食事の糖分で血糖値を維持できる時間は4時間です
それを過ぎると、肝臓と筋肉内にあるグリコーゲンを分解して血糖値を維持します
しかし筋肉の少ない女性や高齢者や肝機能が落ちている人は、
食後2・3時間経つと血糖値が保てません
食事から得た糖が尽きると、とたんに低血糖に陥ります
仕事帰りはフラフラになっているという方は低血糖かもしれません
2番めに起きやすい時間帯は食後、特に昼食後です
食後まもなく眠くなるようでしたら、
急激に血糖値が上がったせいでインシュリンが一気に分泌され
血糖が急激に下がっているのかもしれません
これは「反応性低血糖」と言われます
早食いになってたり
糖質が多い食事が多いと
この反応性低血糖が起こります
3番めに起きやすい時間は、夜間の睡眠中です
必然的に起床時には様々な症状が出ます
症状としては、
・眠りが浅い・夜中に目が醒めると眠れない
・悪夢を見る
・起床時に首肩背中が痛い
・寝汗
・歯ぎしりor噛みしめ
・朝起きるのがつらい
これらがあると夜間低血糖の可能性があります
治療をしていてわかることは、
手汗・足汗をかいてる人は、その時に低血糖になっていることが多いです(緊張している場合も有り)
当院の治療ではそんな時には、デーツやバナナを食べていただいてから治療に取り掛かります
なぜ低血糖になるの?
低血糖になる原因を
生活行動と身体の2点から考えてみましょう
生活行動からの原因3つ
①早食い・食べすぎ・高GI炭水化物多すぎでインシュリンが大量に出てしまう
②食事の間隔が長すぎる(糖質制限や断食は低血糖のひどい方には不向きです)
③運動不足で筋肉が減っている
そのため筋肉にグリコーゲンが貯められなくなっている
身体からの原因7つ
①第一に副腎疲労のせいが多いです
そのためコルチゾール・アドレナリン・ノルアドレナリンが出てこない
この3つのホルモンは血糖値を上げてくれるのですが、
副腎疲労だとこのホルモン分泌が低下しているため、
血糖が保てなくなってしまいます
②肝臓疲労のせいで糖新生ができない
脂肪肝や肝機能低下の人は低血糖になりやすいです
③腸漏れ(リーキーガット症候群)があるので、腸に入ってきた糖が一気に血中になだれ込む
→いったん急激に血糖値が上がりますが、その後急激に下がり低血糖になってしまう
グラフにするとスパイクのような鋭い山型の軌跡を描くため
血糖値スパイク」とも呼ばれます
④膵臓疲労のせいで、インシュリンとグルカゴンが適切にでてこない
⑤気づかない炎症がある
炎症の例としては
歯周病
副鼻腔炎
喉(扁桃炎・上咽頭炎)
胃(ピロリ菌感染)
腸(不適切な食事のせいで腸から血管とリンパ管に未消化物が漏れ出ている:リーキーガット)
肝(脂肪肝)
肥満
が挙げられます
よくあるのは腸と喉の炎症です。
※肥満は炎症そのものです
肥満による過剰な脂肪細胞は炎症物質を出しています
炎症があると、インシュリンの効きが低下し(インシュリン抵抗性の上昇)
細胞内にグルコースを取り込めなくなってしまいます
⑥腸にカンジダ菌が過剰にいる(カンジダ菌は腸内で糖を横取りします)
⑦筋肉が少ないせいで、筋肉にグリコーゲンが貯められない
グリコーゲンとはグルコースが25000個集まった貯蔵用の糖です
食事からの糖供給がなくなっても
筋肉に貯められたグリコーゲンを分解して
筋肉は動きます
運動不足で筋肉量が減っていると
この糖の在庫が貯められなくなってしまうのです
低血糖を治すにはどうすればいいの?
生活からの解決法
①小麦・牛乳製品・精製糖質・カフェインを取らない(これが大前提)
②補食をする(干しイモやナッツなど良質な炭水化物を摂る)
低血糖対処法の主役は「補食を摂ること」です
補食無くして低血糖は治りません
昼食後2~3時間が目安です
夕食時間が遅い人は、2・3回必要なこともあります
低血糖症のひどい場合は、起床直後や午前中にも補食が必要です
起床直後は食べ物が受け付けない方が多いので、はちみつやBCAA2gを推奨しています
夜間低血糖の方は、寝る前に良質なはちみつを小さじ1杯なめて床につきましょう
補食では小麦や砂糖、カフェインを徹底的に避けます
クッキーにコーヒーなどは火に油を注ぐようなもの。視界に入れないようにしましょうね。
※低血糖の方はファスティングや糖質制限をやると体調が悪化します
低血糖を改善してからファスティング・糖質制限を行いましょう
③早食い食べすぎはNG よく噛む
④食べ方注意! 野菜&タンパク質を先に食べる 米飯は最後
⑤MCTオイルを摂る
⑥筋トレをして筋肉をつける
臓器を整える
①副腎をケアする
低血糖と副腎疲労はセットで起きる場合がほとんどです
ですので鍼灸治療がとくにオススメです
鍼灸は臓器にも自律神経・ホルモン系にも効かせられますからね
セルフケアについては前ページ②副腎疲労 を参考にしてください
②腸をケアする
腸ケアには4Rの原則があります
Remove(除去) 小麦・乳製品・悪い油・アルコール・精製糖質・加工食品を避ける
Replace(補填) 酢の物・レモン・水溶性食物繊維を摂る(胃酸胆汁酸が促されます)
消化酵素サプリを摂る
Reinoculate(植菌)善玉菌やオリゴ糖を摂る
Regenerate(粘膜再生)食事ではボーンブロス(骨出汁スープ)が最適です
スープにするとアミノ酸やミネラル、ビタミンが
吸収しやすい状態で摂れます
サプリでは以下を適宜摂ります
グルタミン 亜鉛 マグネシウム ビタミンA・D
百草丸 クルクミン ケルセチン
カンジダ菌や悪性細菌が増殖している場合には、腸内除菌が必要です
腸内除菌は市販のハーブサプリや食材でも可能です
ただし、腸内除菌は相応の対策をとらないと副反応がでてしまい、
より辛くなってしまいます(ダイオフといいます)
腸内除菌は自己流でやるのは避けましょう
アドバイスを受けながら行ってください
当院では腸内環境をととえる治療も行っています
③肝臓ケア
まずは禁酒・節酒です
②の「腸をケアする」だけでも肝臓が安定してくる人は多いです
当院の鍼灸治療では肝臓の治療も行っています
低血糖の臨床
自律神経症状や慢性痛の方を治療していて思うのが、
皆さん全員といっていいくらい、低血糖を持っています
低血糖を改善するだけで、持病の症状が半減する人も珍しくありません
膝・腰痛だけでなく、メンタル疾患でも内臓トラブルでも同様に改善します
逆に言えば、低血糖になってしまうと症状が始まったり、あるいはひどくなったりします
「夕方になると発症する、他の時間はわりと大丈夫」というのはその典型です
低血糖の治療の王道は、補食を中心とした食生活の改善です
鍼灸治療も効果がありますが、あくまで食事がメインであり(主観ですが8割が食事)
鍼灸治療は補助輪に過ぎません(鍼灸は2割)
当院では皆さんに食事を徹底してお伝えしています
「食事を見直してでも低血糖を改善したい」という方は、
きっと当院の治療がお役に立てるでしょう
「低血糖だけど食事を変えられない」という方は、
残念ながら当院の治療はお役に立てません
ご了承下さい