2月末になりますが、人吉青井阿蘇神社にある「青井の杜国宝記念館」に行ってきました。
2023年秋に、本殿横に隈研吾氏設計により建てられたものです。
隈研吾氏の建築といえば、太宰府天満宮近くのスターバックスを思い出します。
氏の建築には、木の美しさを温かくかつシャープに感じられます
屋根は人吉産の木材を使い、細長くルーバー調にしつらえてあります。
阿蘇神社社殿の茅葺屋根をモチーフにデザインしたものですとか。
(wikipediaより転載 ※写真は楼門)
特別企画展ということで、建物の中まで入ることができました。
屋根だけでなくさまざまなところに木がふんだんに使われています。
サッシの枠まで「木」です。
室内いっぱいに杉のさわやかな香りが広がっています。
森林浴のように心地よい空気に包まれます。
新築のたてものに敏感な化学物質過敏症のかたも
ここなら大丈夫ではないでしょうか?
設計者の隈研吾氏がおもいを寄せてくださった文が掲げてありました。
建築家らしく、時間軸や空間軸、そして抽象度を自在に行き来する文章が美しい。
「人吉という隠れ里は、
日本の古層と僕らをつなぐ、不思議な場所だと感じた。
この盆地から、僕らは時空を超えて、いろいろな場所と時間へ
飛び、そして潜ることができるのである。
その人吉の文化と歴史の中心にあるのが、青井阿蘇神社である。
日本には様々な国宝があるけれども、
この建物が持っている力は特別である。
人吉という場所の全てが、この建物に凝縮されて、
この類稀な力と美を創造したのである。」
最近は人吉に出張させていただく機会が増えてきました。
行くたびに、四季折々美しい風景の一コマ一コマが記憶に積み重ねられます。
そんな人吉の地に、
そして熊本にまたひとつ、美しいトコロが増えました。
この地に住めるありがたさが、ジワーっと胸のあたりにこみあげてくるのでした。